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HACK IDEA

「消費を煽る」看板で溢れ返った街、東京。

Nov 21,2016

建物を埋め尽くす膨大な数の広告に、目もくらむほどの忙しいネオンの光。歩行者に、怪しげな光を発しながら話しかける自動販売機たち。

「東京」や「大阪」といった日本の大都市に訪れたことがあれば、視覚や聴覚が休まらない光景に「ここまでする必要がある?」と、感じた人も少なくないだろう。

だが、もしあなたの好きな世界の都市が東京のような風景だったら?あなたには想像できるだろうか?

世界東京化計画!?

 ヴェネツィア大聖堂が、両国国技館に…。

(Photo by Daigo Ishii + Future-scape Architects)

(Photo by Daigo Ishii + Future-scape Architects)

 カラフルなブエノスアイレスが…原宿の竹下通り?

(Photo by Daigo Ishii + Future-scape Architects)


 こちらは、現在イタリアで開催中の『ヴェネツィアビエンナーレ(5月28日〜11月27日)』で公開されている展示品の一つ、「世界東京化計画」。日本の建築家・石井大五さんの作品だ。

 ブエノスアイレス、コペンハーゲン、ラパス、ニューヨーク、パリ、ヴェネツィアといった独特な雰囲気をもった世界の6大都市に、東京のネオンや広告、道路標識から自動販売機、お花見の光景などを、巧みに重ねあわせたコラージュ写真。なんとも奇妙な風景と化したハイブリッド都市。本来の都市の面影も残しつつ、東京に見えなくもない。

 感じ方はどうであれ、奇抜なアイデアと技巧に誘われ、思わず凝視してしまうものの、どこか違和感を拭いきれない感じもする。

無機質な東京

 東京の風景をモチーフにした興味深い作品をもうひとつ。フランス人デザイナーのニコラ・ダミアンが制作した「Tokyo No Ads(広告のない東京)」は、東京のまちから広告などの標識を一掃してしまった。

“世界でも類を見ないほど広告の多いまちとして有名な東京を、逆の視点から切り取ったらどのように見えるかということに興味があった”

 ダミアンはそう話す。

 もちろん空想上の世界だが、広告が一掃された東京の飲屋街には、白のキャンバスや無機質な看板が不気味に浮かび上がる。改めて、多過ぎるほどの広告看板に囲まれた都会での生活を認識せずにはいられない。

 しかし、スッキリした印象というよりも、変わり果てた全くの別世界に「世界東京化計画」のときと同様、どこかしっくりこない感がついてまわる。むしろ、喪失感さえ覚えるという方もいるのでは…。

 それでも「Tokyo No Ads」は、まちの景観を支配する広告看板を非難するための作品ではない。広告の多い東京もまた、魅力的で創造性が刺激されるとダミアンは考える。

 “東京に、広告あり!”

 そんなことを暗に提示してくれているのかもしれない。

“東京”が“東京”である理由

 世界の都市に東京の風景を重ねあわせれば、違和感が残り、見慣れた東京のまちから広告を一掃すれば、それはそれでなんとなく寂しい。大小問わず、世界の都市は、確固たるアイデンティティを確立しながら、そこに住む人々の暮らしに寄り添う。

 「世界でも類を見ない広告の多いまち」

 これが、“東京”が“東京”である所以なのかもしれない。“広告”と聞けば、とにかく消費を煽るためのものと捉えられがちだが、それらはいつしか ”東京” のトレード・マークとなり、世界でも特異なまちの風景を創りあげた。

 ときに、ノスタルジーを感じさせ、世の中の今を映し出し、来たる未来に思いを馳せるきっかけさえも与えてくれる、まちの広告。クリエイティブな企みの祭典と捉え直してみれば、見慣れたまちの光景にも彩りが生まれてくるもの。

 無料の広告展示場へ、ようこそ。東京ならではの楽しみ方を知れば、これであなたも東京通!

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Text by Kenji Takeuchi
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