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HACK IDEA

「家族への愛」をビジネスへ変えた。私たちの未来を担う、“ティーン起業家”の成功の秘訣

May 23,2017

メキシコに住む少年ジュリアン・ライオス君。彼は若干18歳にして仲間とともに立ち上げた会社「Higia Technologies」のCEOを務めている。彼が仲間と共に開発し、グローバル学生企業家アワードでグランプリを受賞した商品「EVA(エヴァ)」はなんと女性用の「ブラジャー」。

なぜ18歳の少年が「ブラジャー」を開発したのか。世界中が注目するその理由とは?

Photo by 撮影者

ジュリアン君
Photo by julianrioscantu

母への思いが生んだ「女性の命を守るブラ」

 ジュリアン君が発明したのは着用するだけで乳癌の危険性を診断できる「乳癌感知ブラ」。ジュリアン君 が13歳の時に乳癌と診断された彼の母親。発見された時すでに癌は進行しており、結果的に彼女は手術により両方の乳房を失うこととなったのだ。

 ジュリアン君は、癌によって心身共に多くのものを失った母親の姿を誰よりも近くで見ていた経験から、この「乳癌感知ブラ」の開発にいたった。(参照:Huffingtonpost.UK)

Photo by 撮影者

Photo by Higia Thechnology

Photo by 撮影者

Photo by Higia Thechnology

 このブラジャーには触覚センサーが組み込まれており、乳房とその周りの温度や質感、色によって乳癌の危険性があるかどうかを解析する。解析されたデータは専用のアプリを使ってスマホやパソコンなどでいつでも確認することができるため、病気の早期発見へと繋がる。

 現状、この「EVA」はまだ試作の段階であり、市場に出回る商品として実際に私たちの手元に届くまでにはさらなる改良が必要である。しかし、この「EVA」が世界中で活用されるようになれば乳癌によって命を落とす人や手術により体の一部を失う人の数は間違いなく減少するだろう。ジュリアン君の母への思いは確実に近い将来の「見知らぬ誰か」の命へと繋がっているのだ。

Photo by 撮影者

Photo by julianrioscantu

患者と家族を繋ぐ「靴下」の秘密

 ニューヨークに住む日系アメリカ人、ケネス・シノヅカもまた家族への愛から画期的な発明品を生み出したティーンエイジャー起業家の1人。(参照元:TED TALKS

Photo by 撮影者

ケネス君
Photo by Safe Wander

 ケネス君の祖父は深夜の徘徊を伴うアルツハイマー患者。彼は家族3世代で暮らしており、祖父の介護をしているのは主にケネス君の叔母。深夜にもベッドから抜け出してしまうケネス君の祖父から目を離さないようにと苦労している叔母の姿を見ていたケネス君は祖父の安全だけでなく、叔母の健康も気にかかるようになった。

 なんとかこの問題を解決できないかと試行錯誤し、約2年かけて彼が14歳の時に発明したのが圧力センサー靴下「Safe Wander」である。この靴下は、ベッドから抜け出し床に足をついた際、かかと部分に取り付けられた圧力センサーが反応し、その情報が家族のスマホに送信され警告音を鳴らす仕組み。

 ケネス君はこの発明により2014年のGoogle Science FairではScientific American Science in Action Awardを受賞し、5万ドルの賞金を手にした。彼はその後、「Safe Wander」をより実用的に改良し商品化するため、自らがCEOを務める会社「SensaRx」を立ち上げた。そして2015年に誕生したのが「SafeWander Bed-Exit Alarm Sensor」だ。

Photo by 撮影者

Photo by Safe Wander

Photo by 撮影者

Photo by Safe Wander

 圧力センサー靴下の発明を元に、より多くの人々が使えるようにと改良を重ねた結果、衣類に付けるだけでその人がベッドから出るのを感知できるデバイスを開発。「SafeWander Bed-Exit Alarm Sensor」は現在既に商品化されており、様々な介護の現場で活躍している。ケネス君の祖父や家族への愛が世界中の人々の生活を変える画期的な発明を生み出したのだ。

Photo by 撮影者

Photo by Safe Wander

成功の秘訣は「誰かのため」

 十代の若さで自らの会社を立ち上げCEOとなったジュリアン君とケネス君。2人の共通点は決して自分の成功やお金のために商品の開発や起業をしたのではないということ。母親や祖父という身近な人と過ごす時間の中で「自分以外の誰か」を思う気持ちが彼らのアイディアの源となり、研究への情熱となったのだ。世界的成功を収めているマーク・ザッカーバーグ氏のFacebookも彼が学生時代に「友達を楽しませるため」に学校のシステムをハッキングして作ったサイトが始まりであることは有名な話。

 もしもあなたが今、「成功」したいと考えているのなら、ただ闇雲に大きな夢を見るのではなく、まずは家族や友人など、身近にいる「誰かの笑顔」を作ることを考えてみてはいかがだろうか。きっとそこにはまだ見ぬ私たちの未来をより豊かなものにする新たな発見の種が無数に転がっているはずだ。

Text by Chisato Tanabe
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