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「音楽が好きすぎて社会問題に興味を持った」。今、現役女子大生が同世代に伝えたいこと。

May 16,2017

社会問題について話すのは「意識高い系」「真面目」など、少しハードルが高いと感じる人は少なくないのではないだろうか。また、どうしても「自分ごととして考えるのが難しい」と思う人もいるだろう。でも本当にそうなのだろうか?

「政治について話す」「ボランティアで社会に貢献する」など明らかに社会問題に挑戦する以外のことの先にもいつも社会がある。ファッション、映画、音楽、スポーツ…好きなものを追求すると必ずルーツがあり、そのルーツは間違いなく社会に関係していて、社会問題はいつのまにか「自分ごと」となる。そんなことを話していて強く感じさせてくれるのがkakihatamayu、現役女子大生だ。

kakihatamayuはインスタグラムのフォロワー数1万人を超えるいわゆる“インフルエンサー”。今時の若者を象徴していると言えるかもしれない。そんな彼女が今回Be inspired!(以下、Bi)に今の若い子に聞いて欲しい「好きなものを追求することで生まれる社会との繋がり方」について話してくれた。

カルチャー大好き、何かを作るのが大好きだった中高生時代

kakihatamyuのお気に入りレコード
Photo by kakihatamayu

 kakihatamayuの情熱は常に音楽だったそうだ。中高生時代は先生の話も聞かず授業中に好きな曲のレビューやイラストをこっそり書いていたという。それをなにげなくインスタグラムにあげると、「買いたい!」とフォロワーからリクエストが来るようになった。それが彼女が作る今人気のZineの原点。

“学校が厳しくて変に古臭くて好きじゃなかったから家で趣味に走りたいみたいなタイプだった。それで作った物を売ってみようって感じで…。そしたら作って売るのがどんどん楽しくなってて、だんだん販売用にZineを作るようになった”

Instagramより

 現在は個人のZineに止まらず、趣味の落書きイラストなどをデザインしたグッズの制作や、アートやファッションが好きな若者に人気のインディペンデントマガジンHigh(er)で音楽についての執筆も担当している。

レコードが並ぶkakihatamayuの部屋
Photo by kakihatamayu

レコードに出会い、広がった世界

 都内だけでも50店舗を超える人気レコード屋のディスクユニオンで5年もバイトをしているkakihatamayu。レコードは彼女の人生の大きな一部なのだとレコードについて楽しそうに語る姿を見ているとすぐ分かる。

“中学2年のときに初めてレコードを買って。1枚目なんだったかな…。インテリアになるようなオリビア・ニュートン=ジョンだったかも。安かったから。渋谷にあるレコード屋のレコファンとかで単純に「素敵。。」ってそんな軽い気持ちでレコード買ったら、レコードプレーヤー持ってないのにやっぱり聞きたくなっちゃって(笑)それからかわいいポータブルプレイヤーをネットでオーダーした。音は今考えればひどかったけどね。(笑)”

 それ以来集めつづけているという。ディスクユニオンで働いていることや音楽好きの大人と出会うことが多かったこともあってジャンルや機材の知識も徐々に増えていった。

“レコード屋に出向いて、レコードを探すのが楽しい!持ってるっていうことに意味があるっていうか…。探していたものに出会えたとき、その感動こそがレコードの醍醐味。今の私たちの世代は自分の世界を大事にしたい世代らしい。それが自分にも当てはまるとしたら、その自分の世界が私にとってはレコードなのかも。基本的に服買うならレコード買いたいもん。”

 SpotifyやApple Music などネットで簡単に音楽が買える時代になぜあえて手間のかかるレコードなのかと聞くと、彼女はこう言った。「消費することに背を向ける」といわれているゆとり世代。実際、今の若者は消費自体がステータスや快楽となっていた高度成長期中やその後のバブル時代とは異なり大量消費や世間の流行に惑わされることなく、自分が価値を見出しているものだけを集中消費する傾向にあるのかもしれない。

家の機材とレコード
Photo by kakihatamayu

社会の問題と趣味が繋がったとき

 とにかく音楽を愛し、レコード屋で働き、好きな音楽をイラストなどでクリエイティブに表現してきたkakihatamayu。その音楽への愛は社会問題へ興味を持つきっかけにもなったそうだ。

 “どのジャンルの音楽も何か社会情勢が背景にあって、生まれたものが多い。音楽のルーツを知るのが好きだったから、「この曲のこの歌詞何、どういう意味?」ってなったら、そこから調べてた。例えばロックってセックスやドラッグについて歌うから社会に煙たがられていた。子供がロックを聴いているとお母さんがラジオ消す、みたいな。ビートルズですら受け入れられてなかったから!ロックが世間的には反社会的なものとして聞かれてたし、それで「なんでー」ってなって、そこから曲の背景を調べるようになったかも”

 ロックの背景を調べてみて知ったのは、人種差別や反戦運動、貧困問題などの社会問題だった。ジャンルの好みは変わっても音楽の背景を追求するとそこに社会が必ず見える。

“中高生の頃は60年代、70年代のロックが大好きだったから去年まではディスクユニオン新宿ロックレコードストアに勤務していたよ。本当に大好きだった!王道系ロック、グラムロック、PUNK、GRAGE、ブリティッシュビート、オールディーズ、SSW、AOR。とにかく手当たり次第たくさん聴いてみたと思う。(笑)でももう最近しばらくはSOUL/FUNKとか和モノが収集の中心かな。現在は下北ユニオンのクラブミュージックショップに勤務しているからもちろんヒップホップとかも聴くけどね。でも私、実はまだまだヒップホップ初心者!元々好きだったネタモノ(サンプリングの)スタートでヒップホップの魅力を知ったかも。逆dig!(笑)でもヒップホップも本当に奥深いもので…貧困だとか人種差別だとか、そういった社会問題が根底にあって誕生したからね。それが今や超クールな文化になってる”

 最初は「音楽がかっこいい」から調べただけだったとしても、結果的に世界で見過ごすことのできない貧困や人種差別、戦争の問題に彼女は到着していた。「好きだから、知りたい」というその純粋な動機が社会問題に興味を持つキッカケとなり、少しでも多くの人がそんなプロセスを繰り返せば、社会はもっと良いものになるのではないだろうか。なにも音楽じゃなくてもいい。自分が情熱を持てるものを追求していけば誰でも自然とそこにたどり着けるはずだ。

 そしてkakihatamayuは音楽を通して学んだ社会問題を同世代の若者に発信していきたいそうだ。そこで今回、Biで彼女の音楽連載が始まる。その名も、【『あの名曲』に込められた社会への“愛の叫び”。kakihatamayuが紐解く、社会派ミュージック・ヒストリー】。一曲を通して見えてくるその曲が作られた時代の社会背景や、現代の私たちにも響く普遍的なメッセージをkakihatamayuが解き明かしてくれる。毎回書き下ろしのイラストもあり!今後ぜひ注目していて欲しい。

Illustration by kakihatamayu

KAKIHATA MAYU

1995年生まれおとめ座のAB型、女子大生。
中学生の頃にアナログレコードに出逢い、高校2年の終わりにディスクユニオンに入社。昨年9月までは60s-70sロックのレコードをメインに扱うディスクユニオン新宿ロックレコードストアに勤務。それ以降、クラブミュージックを専門に扱う下北ユニオンのクラブミュージックショップへ移動。
今年4月まではマガジンハウスでデザイナーアシスタントとして活動。
インディペンデントマガジン、HIGH(er)magazineでは音楽コラムを担当。暇さえあればレコード屋を巡る。最近集めているのは70sSOUL/FUNK/RARE GROOVE/和モノが中心。

Instagram:@kakihatamayu

HIGH(er) Magazine

ディスクユニオン下北沢クラブミュージックショップ

All photos by Misa Kusakabe unless otherwise stated.
Text by Noemi Minami
ーBe inspired!

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